ますだの気まぐれ日記

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help リーダーに追加 RSS 映画講座(22)「キャメラ技法・その4」

<<   作成日時 : 2006/04/11 10:01   >>

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今回は、「ズーム」についてです。

映画用語としては、「ズームアップ」「ズームバック」。テレビ(ビデオ)用語としては、「ズームイン」「ズームアウト」。
ま、どっちでもいいですけど、フレームのサイズの件でもそうでしたけれども、テレビの世界って後発のくせに同じ機能をわざわざ別の言い方をするって何か意図があるのでしょうか。

ま、それはともかくも、「ズームアップ」は「ここに集中してね」、「ズームバック」は「これはこういう状況下にあるのですよ」といった意味合いで使われますね。またそのスピードが速ければ、そこにインパクトを加味できるし、ゆっくりであれば、なにがしらの感情的意味合いを持たせることも出来る、と言ってもいいでしょうか。
ただ、私個人的には、余り好みません。使っても一作品に数回ですね。時間的余裕があれば、移動車などを使っての「トラックアップ」「トラックバック」の方が好きです。「レンズ」の項でも言いましたが、人間の目にはズーム機能はありませんし、ズームって私にはキャメラを動かす労力を惜しんでいるようで、映像的に安っぽく見えてしまうのですね。一時期のアクション映画では、よく使われていましたが、昨今はそれも少なくなってきています。
クリント・イーストウッドもあるインタビューに答えて「初期の頃は、ズームを使ったが、最近は、単焦点のレンズ3本(やや広角、標準、やや望遠(「レンズ」の項参照))と、たまに望遠で事足りている」と言っていました。
でも、使いようによっては、面白い効果を生み出すことも出来ます。観客にそれとは気づかないようなゆっくりとしたスピードでズームしていく、といった手法です。話に聞き入っている内に「あれ、いつカットが変わってアップ(逆の場合もある)になったのだろう」と思わせるような技法です。このようなものを見せられると、観客として「監督に一本とられたな」と思ってしまうのですね。
例を挙げれば、山下耕作監督の「関の弥太っぺ」(63年東映、出演:中村錦之介、十朱幸代)で、自分の妹を捜してある女郎屋で妹を知っているという女(岩崎加根子)に妹の思い出話を聞く場面。最初は錦之介のバストショットで始まり、数分間の二人の会話が終わってみると、いつの間にか二人の座った状態でのフルショットになっている(ワンシーンワンカット(=これを業界では「どんぶり」(一個で全部)と言います)だったと思う)。切々とした情感がそのズームに込められていました。
ここで「関の弥太っペ」の名台詞をひとつ。
「世の中つらいこと悲しいこと、いっぱいある。でも忘れるこった。忘れて日が暮れりゃあ、あしたになる」・・・いいねえ。

最後にこれぞ外連の極みといった手法のご紹介。
それは、「ドリーバック・ズームアップ」(または「ドリーアップ・ズームバック」)。ドリー(移動)で引いていきながらズームで寄っていく(またはその逆)。
するとどうなるか。被写体のフレームサイズは変わらないのに、背景だけが動いていく。
心理的な面から解説しようとすれば、その人物に歩み寄りたいのに歩み寄れない、逃げたいのに逃げられない、といったような、まか不思議な映像が生まれます。
日本映画では、大林宣彦や伊丹十三が使っていましたね、大林作品で言えば「時をかける少女」(83年東映=角川、出演:原田知世、高柳良一、他)のラストシーンで使っていました。
でもこの手法、これまた、遙か昔、ヒッチコックが「めまい」(58年米、出演:ジェームス・スチュアート、キム・ノバク)で、スチュアートが螺旋階段を見下ろすシーンで、まさにめまいを起こすショットで使われているんですよね。
しかしこの手法、プロの人たちでも難しい。ズームと移動とピント、この三つがぴたりとタイミングが合わないと、即NG。私もこの手法が好きで、数本に一回の頻度で使ったりしますが、最低でも10テイクぐらいいきますです。


「ますだの映画講座」へお越し頂きありがとうございました。
ただいま、このblogで書きためた原稿を元に、画像など使い、より分かりやすく映画のことが理解できる「映画講座 HP完全版」を作りました(一部制作中)。
決して、ブログでの連載をやめたわけではありませんが、新しく作り直していく中で、新たな項を書いていくきっかけになれば、とも思っています。
一度、覗いてみてください。
http://www5b.biglobe.ne.jp/~t-masuda/cn20/pg127.html
以上、よろしくお願いいたします。(08/12/20)
関の弥太っぺ [VHS]

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コメント(16件)

内 容 ニックネーム/日時
 こんにちは。綾間です。この技法って(ズーム)国会中継とか、長〜く独りの話が続くときとかに使うものですか?
 この前、アネハさんが国会で話しているのを見たときにだんだん顔に近づいていって気づいたときには顔前面がテレビいっぱいになってました!使いすぎも問題ですね!
綾間直之介
2006/04/11 16:13
この講座は、映画(ドラマ)について語っています。
ズームレンズは、ドキュメンタリー、ニュース映像、情報番組などにおいて、キャメラ一台で時間の流れを止めることなく、寄ったり引いたりするときには、非常に便利な代物です。
アネハ氏の国会中継で、極端にゆっくりしたズームをつかっていたとすれば、そのキャメラマンは、そのズームに何らかの意味を持たせたいと思ったかもしれませんが、私は見ていませんので何とも言いようがありません。
いずれにせよ、brogの前半で述べたように「ズームアップ」は「ここに集中してね」、「ズームバック」は「これはこういう状況下にあるのですよ」といった意味合い、またはサイズの修正などで使われることが多いです。
極端ににゆっくりとか早くとかしたズームは、それ以上に意味合いをもってしまうと私は考えています。(客観性が求められる中継映像で、キャメラにことさら意味合いを待たせようとするのも問題ですが)
いずれにしても、綾間さんが言うとおり、何事もやりすぎは良くないですね(笑←Hな意味深(更に笑))。
ますだ
2006/04/12 01:01
こんにちは。綾間です。
ところで最近資生堂の美人の人が出てるCM「マキュアージュ」と「TUBAKI」で、撮り方全然ちがいますよね。あれはどういった違いや効果を出しているんですか?できれば撮りかたも教えてください!たぶん髪を宣伝するのと肌の宣伝するのとの違いだとは思うのですがそれが何でああなるのかがちょっと・・・
綾間
2006/04/19 16:07
綾間さん、こんにちは。

綾間さんが言うCM、私は未見だと思います。
いずれ見ましたらご質問にお答えしようと思います。
とりあえずはごめんなさいです。
ますだ
2006/04/22 10:41
ありがとうございます。なんだか気を使わせてしまってすいません。舞い上がって調子に乗りすぎたみたいです。すいません。反省します。こんな高校生なんかは気にせずにお仕事がんばってください。
でもこのぺージの更新はお願いしますね!楽しみにしてますから!(ほんとに反省しとんのか?<関西人です>)
綾間直之介
2006/04/22 17:26
今試験中です。そして今日は試験の中休み中です。
綾間
2006/05/25 10:29
今同好会で映画を作っています!
九月の文化祭公開を目指しております!
綾間
2006/06/18 08:53
綾間さん、こんにちは。
同好会での映画制作、がんばってくださいね。
また、ブログの更新が遅れていてごめんなさい。
首を長くして待っていてくださいませ(笑)。
それでは、また。
ますだ
2006/06/23 14:24
はい!こちらは、先輩のほうも同好会を作ってらっしゃったみたいで、それと同時上映をしようという狸算をしまくっています。しかも、むこうさんから挨拶に来られたんですよ!うちの高校に僕と同じような人がいらっしゃったとは、と感激中です。
綾間
2006/06/24 16:50
感激は当の昔に過ぎ、今は青春も捨てているような状態です。視力も落ちました。けどがんばります。
綾間
2006/07/27 10:42
綾間さん、こんにちは。
やけに年老いたことを言っていますね。
若さで勝負!勝負!
でわ、でわ。
ますだ
2006/07/30 07:25
昨日おとといと一日中かけて短いのを一本撮り終えました!パクリ物ですけど。後は「やっぱもう一回」ってのを取り直して編集するだけのような気がしています!
若さで勝負します!
綾間
2006/08/09 13:19
綾間さん、こんにちは。
パクリもの、大いに結構。
「創造は、まず模倣から始まる」です。
既存のものを自分のものにし、そして「発展」です。
がんばってください。
ますだ
2006/08/11 07:04
三連休(内の学校は土曜日もあるのでホントは二連休ですが)を利用して一気に編集してます!
文化祭は今週の土曜日なのでめッちゃあせってます!なぜかというとまず僕の性能の悪いパソコンで画質落として編集して、明日性能のずっといいパソコンを持っている友達に渡してハイヴィジョンで本編集をしてもらう予定だからです!その後パソコンからDVに落としてそれをVHSに落とさないといけないからです!
がんばります!
お仕事がんばってください!
綾間
2006/09/18 13:18
綾間です。文化祭大成功でした!ちょっと徹夜したり、徹夜が意味なくなったりといろいろありましたが、ほんとに大どんでん返しがありましたが、何とか上映できて、そしたら大うけでした!これもますださんのおかげです!本当にありがとうございました!また技法教えてください!
 ところで、ある基本の表現だと思うのですが、誰かがしゃべっていて、そのしゃべりが長い事がわかってて、そのしゃべっている音声そのまましゃべっている本人のカットから聞いている人のリアクションカットを見せる技法はなんと呼ばれているのですか?
 検事が罪状を読み上げる→それを静かに聴いている被告・・・みたいなものですが。出来れば教えてください!
綾間
2006/09/24 22:58
綾間さん、こんにちは。
返事か遅れてごめんなさい。
上映会成功の由、おめでとう。

ご質問の軒ですが、後ほど、ブログに載せますです。

でわ。
ますだ
2006/09/27 19:50

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