ますだの気まぐれ日記

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zoom RSS 映画講座(46)「モニターを捨てよ、現場に出よう。」

<<   作成日時 : 2008/12/31 06:04   >>

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今まで述べてきたことと重複する部分があるかと思いますが、ご了解下さい。

ビデオでの撮影はもちろん、昨今の映画の撮影でも、監督(ディレクター)の横にはモニターが置かれ、監督はそれを見ながら様々な指示を出している様を見受けます。
それをいいことに、キャメラアングル、照明の具合をモニターを覗いたままの状態で指示していることが少なからずあるようです。
このような場合、キャメラ、照明をある程度熟知しているなら問題は起こらないと思いますが、度々述べているように、技術的なことを勉強をしていない監督が多い日本の場合、様々な弊害を生み出していると思います。そんな撮影クルーに限って、その監督の演出方法に苦言を呈す唯一の立場にいるプロデューサーさえ、素人に毛が生えた程度の場合が多いから始末に困る。

街を歩いていると、狭い喫茶店などのロケセットで撮影している現場を見受けることがあります。そのような時、監督始め多くのスタッフは、店内に入ることは出来ず、モニターを路上に出して監督はそれを見ながら演出をしていますね。
現場の状況を見ていない状態で、「もっと引いた画にしてくれにしてくれ」「この(照明の)影、何とかならないか」などと言ったりしています。
でも、当の現場では、キャメラマンが考えるレンズの許容のミリ数限界を選択して、壁に背中を押しつけながら、不自由な体勢でキャメラを構えている。
「もうこれ以上、引けません。限界です」
「ズームを使って、もっとワイドにすればいいだろう」
キャメラマン、脱力して、以後、考えを巡らせること無く、レンズのミリ数シッチャカメッチャカで、監督の指示に「ハイハイ」と答えながら、安易な方策に走り出す。
そんな現場がまかり通り、「俺はプロだ」顔しながら闊歩しているテレビ屋&映画屋さん、多いですねぇ。

実際、私が体験したお話を・・・。
ある著名な漫画家の初監督作品の補佐についたときの話です。
ロケセットの隣室でモニターの前でドカッと座った監督、以後、トイレに立つ以外はそこから離れませんでした。そして、上記のようにモニターにかぶりつき状態で言いたい放題。
手持ちで無理な体勢での撮影を強いられているキャメラマンに対して、「あ、そのまま、そのままの状態でモニターを見せておいてくれ」。キャメラマンは当然のごとく「ゼーゼー」状態。監督はこの画角から、次のコンテをどうしようか「う〜ん」とうなっている。少しでもキャメラがブレ出すと、「そのまま、と言っているでしょう!」。でもキャメラマンの体力は厳寒に達している。当の私はキャメラマンの横で「まあまあ」(これも何だかなあ)。
私が撮れば予定通りに終わったものの、朝までの徹夜でありました。もちろん賃料が倍以上になったことは言うに及びません。

監督というものは、良い作品にするために最大限の努力することは、言うに及びません。
しかし、そのためには、範疇以外と思われる技術的なことも勉強し、スタッフを把握していくことも重要な仕事の一つである、と私は考えるのです。時には「よいしょ」も必要です。
言葉を換えれば、スタッフの信頼を得れば、より良い作品が仕上がるのです。スタッフ全員「この作品、いいものにするぞ」と、ある時など良いアイデアも出してくれながらも頑張ってくれるのです。←これも演出のひとつ。

また、映画の学校で撮影実習をしたとき、ビデオでのそれは、私はあえて監督役の学生にモニターを見ることを禁止しました。しかし、ちょっと目を離しているとモニターの所に来ている。更に16ミリ実習の時(モニターはない)は、なぜかキャメラから離れ、演出をしている。モニターがなければ、極力レンズぎりぎりの所で演技などを見ないと、そのイメージがつかめない。キャメラに写らない角度から演技を見たって無意味なのに。
キャメラ横に立ち、キャメラマンと相談しながら演技を見る。
それは、演出するものにとって最低限のスタンスである、と私は考えます。

でわ。


「ますだの映画講座」へお越し頂きありがとうございました。
ただいま、このblogで書きためた原稿を元に、画像など使い、より分かりやすく映画のことが理解できる「映画講座 HP完全版」を作りました(一部制作中)。
決して、ブログでの連載をやめたわけではありませんが、新しく作り直していく中で、新たな項を書いていくきっかけになれば、とも思っています。
一度、覗いてみてください。
http://www5b.biglobe.ne.jp/~t-masuda/cn20/pg127.html
以上、よろしくお願いいたします。(09/01/25)

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
同感ですね。いろいろとハードは便利なものがたくさんあります。技術部のためにもともとは作られたのでしょうが、いろんな意味で応用(?)されていますよね。
やはり監督は、キャメラの横で演出して欲しいものですよね。その場にいないとわからないことって、結構ありますものね。
ichitako
2008/12/31 16:38
ichitakoさん、こんにちは。
同感コメント、ありがとうございます。
来年もよろしくお願いいたします。
では、良いおとしを。
ますだ
2008/12/31 20:00
同感です。以前、あるテレビ番組で、他のDが不得手なジャンルということもあり、局P命令で私が補佐役として現場に立ち会いました。
Dというのは他のDの現場を見る機会というのはそんなにありません。Pから命を受け、私は他の演出法を見るチャンスと思って出かけたのですが・・・
なんとそのD、ロケ現場である厨房を見ずに店の軒先で店主と談笑していました。まさにカメラマンに任せきり。
また、DもDならカメラマンもカメラマンです。
今までの経験で「お約束カット」は分かるでしょうから、ある程度の素材はカメラマン一人で集められるでしょう。しかしねなぜにDを呼ばないのか?????
私はすぐDにカメラと共に行動するよう促しました。
次元の低い話題で大変恐縮ですが、現場人の教育を、今一度ベテランさんも交えて考えなくてはならない時期にきているのかもしれませんね。
それとレンズの動き見て、ある程度撮れてる映像は想像できないと。モニターは最初に「ちょい確認」が基本。本番では演者の目を見て演出。Dは現場の空気作りの主人公。モニターかじりつきは現場にいるとはいえませんね。
正次
2009/06/11 04:54

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